「楽器を演奏する時に求められるのが、規律とクリエイティビティ、そして途方もない練習量。これは、コレクション制作においても非常に重要なことです」。最近習い始めたというチェロのことを話す、フランチェスコ・リッソの言葉だ。そのことを反映してか、彼が東京で発表したマルニ(MARNI)の2023-24年秋冬コレクションは、美しいストリングスの音色に包まれた。
マルニと東京の共通項を「ルールにとらわれない自由さ」と語ったフランチェスコ。メンズモデルが着るミニドレスや、ヒールのスリングバックをはじめとしたジェンダー・ノンコンフォーミングなスタイリングが、規律とクリエイティビティの狭間で奏でられる美しい調べに、心地よい不協和音を添えた。
Photos courtesy of brand Text: Shunsuke Okabe