原油供給だぶつきは解消、印コロナ危機の消費後退は一時的-IEA
Grant Smith-
先進国の余剰原油在庫、今やわずか-OPECプラスの減産も寄与、
-
石油消費は年後半に再び回復も市場ボラティリテイーは続くと予想
国際エネルギー機関(IEA)は、インドで新型コロナウイルスが再び猛威を振るうなど石油需要は打撃を受けているものの、パンデミック(世界的大流行)で生じた供給のだぶつきは解消されたとの見方を示した。
IEAは12日発表した月報で、先進国の余剰原油在庫は需要が急速に冷え込んだ昨年と比べ、今やわずかでしかなくなったと指摘。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の減産が寄与したという。ただ、インドでコロナ感染が拡大しているため世界の石油消費は一時的に後退するだろうとし、年後半に再び回復すると予測した。
「コロナで需要が崩壊した昨年に積み上がった世界の原油在庫のだぶつきは、より平時の水準に戻った」とIEAは説明。「だが、インドのコロナ危機は石油需要の見通しに依然不透明性があることを思い起こさせる。パンデミックが収束するまで、市場のボラティリティーは続く公算が大きい」と論じた。
中国や米国で燃料消費が回復する中、原油相場は今年に入り上昇を続けている。ロンドンの国際原油価格は1バレル=約69ドルに達した。
原題:
IEA Says Oil Glut Gone Even as It Cuts Demand Forecast on India(抜粋)