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米債務上限交渉、行き詰まり示唆-マッカーシー下院議長ら共和党議員

更新日時
  • 政権側とのさらなる会合予定されていないと共和党の交渉担当者
  • 上下両院の採決、債務不履行回避の期限直前にずれ込む可能性も
Kevin McCarthy and Joe Biden on May 22.
Kevin McCarthy and Joe Biden on May 22. Photographer: Yuri Gripas/Abaca

マッカーシー米下院議長(共和)は23日午後、米国のデフォルト(債務不履行)回避に向けたバイデン政権との連邦債務上限問題を巡る交渉について、妥結にはまだ至っていないと述べて連邦議会議事堂を後にした。

  また、共和党交渉担当者の1人であるグレイブス下院議員は同日、政権側の担当者との2時間に及んだ協議の数時間後、さらなる会合は予定されていないと語り、話し合いが膠着(こうちゃく)状態にあることを示唆した。

  グレイブス議員はホワイトハウスの交渉担当者について、「要するに、彼らの側で何らかの動きや根本的な変化が見られなければならない」とした上で、「現時点で新たな会合は設定されていない」と話した。

  事情に詳しい関係者1人は、23日夜の会合開催はないだろうと明らかにした。

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共和党のグレイブス下院議員
Photographer: Eric lee/Bloomberg

  イエレン財務長官は、債務上限の引き上げや適用停止を議会が承認しない場合、政府が支払いを行うための資金が6月1日にも枯渇する可能性があると繰り返し警告している。

  現在の交渉行き詰まりを踏まえると、仮に双方が合意に達したとしても、上下両院の採決が期限の数時間前までずれ込む可能性が増すことになると考えられる。

  下院議員の間では、5月29日のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)を挟んだ休会入りを前に、25日にワシントンを離れて来週戻ってくるスケジュールが意識されている。一方、合意がまとまった場合、上院で6月1日以前に可決するには、採決のための迅速な手続きに全議員の同意が必要になるのはほぼ確実だ。

  共和党の別の交渉担当者であるマクヘンリー下院金融委員長も、今後の展開は分からないとした上で、自分の電話には交渉行き詰まりを懸念するウォール街関係者からのメッセージが数多く寄せられていると明らかにした。

  グレイブス議員は、これまでの交渉で「大幅な進展」があり、幾つかの分野で双方の立場が「非常に近づいている」ことを認めた。ただ、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)受給に関する就労義務の要件厳格化や支出を巡り、根本的な食い違いが残っている。

  同議員は「われわれはどこにも行かない」と述べ、下院共和党としてホワイトハウスのチームとのさらなる交渉に「オープン」であると語った。

  下院民主党トップのジェフリーズ院内総務は記者団に対し、2023会計年度の歳出水準での予算凍結は「妥当な」譲歩だと指摘。民主党議員の賛成を必要とする合意には、同党の優先事項を反映させる必要があるとの考えを示した。

党の団結訴え  

  マッカーシー議長は23日午前に共和党の全下院議員と非公開の会合を開き、バイデン政権との債務上限交渉はまだ続くと述べた上で、歳出削減という党の要求で団結するよう訴えていた。

  会合に参加したノーマン議員によると、交渉では双方が合意には「程遠い」とマッカーシー議長は語った。会合に居合わせた別の人物も議長の発言を確認した。

  他方、共和党の一部の保守派議員からは、債務上限問題でそもそも大騒ぎする必要があるのかと疑問視する声も上がっている。ロイ下院議員は、同党が要求の一部を取り下げるよう「仕組まれた危機」なのではないかとも話した。

  バイデン大統領とマッカーシー議長は22日、ホワイトハウスで1時間余り会談し、大統領は「建設的な会合」だったと言明。議長も「今夜のトーンは以前のどの協議の機会よりも良好だった」と語っていた。

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原題:McCarthy, Graves Signal Impasse in White House Debt Talks (3)

McCarthy Says Debt Deal Remains Elusive as Negotiations Resume(抜粋)

(関係者の発言を本文4段落目に追加して更新します)
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