サノフィなど欧州製薬3社の株価急落、「ザンタック」巡る訴訟懸念
Thyagaraju Adinarayan、Lisa Pham世界的な自主回収となった胃薬「ザンタック」(一般名ラニチジン)を巡る訴訟への懸念が高まり、11日の欧州株式市場では一部の製薬株が急落。フランスのサノフィ、英GSK、ハレオンの3社は9日終値に比べ、合計で400億ドル(約5兆3000億円)の時価総額を失った。
サノフィは一時13%安。前日と合わせた下げは20%に達し、2日間としては過去最大の下落。GSKは一時12%安。GSKから最近スピンオフしたハレオンは一時13%安に沈んだ。
GSKは株価の動きや、ザンタックを巡る継続中の訴訟についてコメントを控えた。ハレオンは訴訟手続きの当事者ではなく、ハレオンとしても前身のGSKコンシューマー・ヘルスケアとしてもいかなる形であれザンタックを米国で販売したことはないと説明した。サノフィからのコメントは今のところ得られていない。
ザンタックはかつて多く使用された制酸薬だが、がんを引き起こす疑いがあるとされる。被害を受けたとする米国の個人は店頭薬であるザンタックのリスクについて適切な注意がなかったとしてサノフィやGSK、独ベーリンガーインゲルハイム、その他のジェネリック(後発医薬品)メーカーを相手に一連の訴訟を起こしている。
原題:
Sanofi and GSK Sink as Zantac Worries Wipe Out $40 Billion (2)(抜粋)