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「独身であることは、祝福されるべきこと」──バレンタインデーにシングルの友人に言ってはいけない4つのフレーズ

コメディアン、役者、作家、そして自称“ダメ男専門家”でもあるマリー・ベス・バローン。彼女が実際に独身時代に感じたことをもとに、シングルの友人に言うべきではないセリフをロールプレイ形式で紹介。あなたのその一言、知らないうちに相手を逆撫でしているかも?
Photo: Bettmann/Getty Images

バレンタインデーが私にとって本当の意味を持つようになったのは、25歳のとき。彼氏と3年の交際と2ヶ月の同棲を経て破局。2月14日は私の「独身記念日」になった。タイミング的には多少残念ではあったが、思い切って恋人のいない何万人もの(それとも何十万人?)ニューヨーカーたちの仲間入りをした、わかりやすいほどに忘れられない日になったことは間違いない。

あのときは言葉では言い表せないほど興奮した。しかし、人生のほとんどのことがそうであるように、自由な独身生活には浮き沈みがある。絶好調のときは揺るぎのない、手の届かない女神のような存在になれるが、絶不調のときは誰からも愛されたことのない、無意味な存在になった気がしてくるのだ。

才能と美貌を兼ね備えながらも、生涯独身を貫いたココ・シャネル。

Photo: Bettmann/Getty Images

シングルだからといって、誰もが同じ目標を持っているわけではない。私は独身を謳歌することを目標とし、実際に楽しんできた。結果良ければすべてよし……かどうかなんて、もちろん誰もわからない。

私の独身生活ではあてのないデートを重ね、この世で最悪な人たちと付き合い、ときにはそのことに苛立ちや焦りを覚えることも。その結果、うっとうしいとしか感じられない恋愛アドバイスを受けるようになっていた。善意で言ってくれているのはわかっていても、そのどれもが往々にして陳腐で、建設的ではないのだ。そこで私は「力になろう」としてくれる人たちから繰り返し発せられる、決まり文句に気がつき始めた。

今回はバレンタイン間近ということで、シングルの人に口にしないほうがいいセリフを(辛口の)ロールプレイ形式でまとめてみた。恋人のいない友人が呆れずに受け止めてくれるような、今後の言葉選びの参考にしてほしい。

1.「海にたくさんの魚がいるように、いい人はまだまだたくさんいる!」

──たくさんいる人を全部かき分けていけってこと? そもそも海も地球も広大すぎて気が遠くなる。映画『ファインディング・ニモ』(2003)で、マーリンは海の中で息子のニモを見つけ出すけど、あれはピクサーの脚本家のご都合主義としか思えない。

2.「この時間を自分磨きにあてればいい」

──私は自分が好きだけど、問題は相手がそうじゃなかったこと。そもそも私の話を理解している?

3.「デートで時間を無駄にしすぎ。探すのをやめたら、自然と相手は現れるはず」

──本気で言ってる? とても正気とは思えないけど。もし私が車を買おうとしていたなら、車探しをやめろなんて言わないでしょう? 会社が私好みの車を用意してくれることを願って、何も行動しないなんてあり得ないから。

4.「安定した関係を望むなら、自分をさらけ出すこと」

──あなたはときどき本気で意味不明。それに、さらけ出した私を見たことがある? 見たら、本当にひどいってわかるはず。勇気を出して本当の自分を見せるのは、並大抵のことじゃない。誰かとセックスして、その後二度と口をきかない方がずっと楽。

これで終わりとしたいところだけど、その前にもう一つだけ。最後に独り身の人へ、大切なことをお伝えしたい。シングルでいることに正解も不正解はなく、無理して相手を見つける必要はない。私が独身時代に経験した最悪の失敗は、無理をして誤った道を突き進んだこと。独身であることは祝福されるべきことだ。独身時代に過ごした最悪の日々でさえ、間違った相手の彼女として過ごした最高の日々よりもずっと素晴らしいものだった。それから、シングルでいることの楽しさを誰かに教えてもらう必要もない。だってあなたは今、ひとりで思い切り楽しむことができるのだから。

Text: Mary Beth Barone Translation: Rieko Shibazaki Adaptaiton: Motoko Fujita
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