コンテンツにスキップする
Subscriber Only

ファイザーの抗うつ剤が供給不足、コロナに伴うメンタル不調で需要増

  • FDAは「ゾロフト」錠を不足医薬品リストに追加
  • ジェネリック会社は医薬品有効成分を十分に入手できないと説明
Pfizer antidepressant drug Zoloft tablets.
Pfizer antidepressant drug Zoloft tablets. Photographer: JB REED

米国で最も広く処方されている抗うつ剤の1つが供給不足に陥っている。新型コロナウイルス感染症(COVID19)の感染拡大でメンタルヘルス不調に陥る人が増え、需要が膨らんでいるためだ。

  米食品医薬品局(FDA)は5月29日、ファイザーの「ゾロフト」(一般名セルトラリン)錠を不足医薬品リストに加えた。ゾロフトは1991年に米国で初めて承認され、うつ病や強迫性障害(OCD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などさまざまな症状の治療に使われる。

  新型コロナで人々に孤立感や不安が生じ、メンタルヘルス関連サービスの需要が増している。ブルームバーグ・インテリジェンスのデータによると、ゾロフトの3月の処方は前年同月比12%増えた。

  FDAの医薬品不足に関するデータベースによると、ファイザーは100ミリグラムの錠剤の100錠入りボトルなどゾロフトの一部の製品が需要増で十分にないと説明している。

  一方、ジェネリック(後発薬)メーカー各社はセルトラリンを生産するための医薬品有効成分(API)を十分に入手できないとFDAに報告。インドのルピンは数カ月の入荷待ち状態が続くと見込んでおり、アコード・ヘルスケアも不足が2カ月続くとの見通しを示した。

  ファイザーの広報担当者はゾロフトの有効成分を自社で製造していると説明している。

原題:
Pfizer’s Zoloft Falls Into Shortage as Virus Strains Supplies(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE