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中国、気球問題で対米姿勢急変-遺憾の意表明から一転、報復を警告

  • 習主席はゼロコロナ放棄後に強いリーダーシップを国民に示す必要
  • 米中関係は一段と悪化する可能性あると専門家指摘

米本土上空を飛行した中国の気球を巡り、当初遺憾の意を表した中国はその後、態度を急変させ、米国に報復を警告した。習近平国家主席が強いリーダーシップで外圧に立ち向かう姿勢を示す必要があるという国内事情を反映しており、米選挙シーズンが本格化する前に両国関係を修復できる可能性は一段と低下した。

  新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を巡って昨年11月に大規模な抗議デモが行われた後、習指導部は突如、同政策を解除した。

  気球の問題が起こらなければ週末にはブリンケン米国務長官が北京に到着し、米外交トップによる約4年ぶりの訪中が実現していたはずだった。しかし米空軍のF22戦闘機がサウスカロライナ州沖で気球を撃墜したことから、週末には非難の応酬が繰り広げられた。

  ブリンケン長官の訪中延期により、米中衝突回避のための「ガードレール」設定や、習主席ら中国高官との会談は実現しなかった。

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米軍機が偵察用とされる中国の気球を撃墜(2月4日)
Photographer: Chad Fish/AP Photo

  気球は民生の気象研究用のものであり、不可抗力によって米国領空に入ったと主張する中国は5日、武力行使による撃墜は「明らかな過剰反応」だと非難。中国外務省は声明で、「中国は当事者の正当な権利と利害を断固として守るだろう。必要ならさらなる対抗措置を行う権利を留保する」とした。

  シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の客員上級研究員、ドルー・トンプソン氏は「この出来事は両国関係の悪化がなお続いていることを示す」とし、「関係はプラスの方向に向かっておらず、一段と悪化する可能性がある」と分析した。

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原題:China Moves From Contrite to Confrontational Over US Balloon (1)(抜粋)

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