コンテンツにスキップする

シティ、メキシコのリテール銀売却取りやめ-25年のIPOを計画

更新日時
  • 今四半期中に「適度な」水準での自社株買い再開を計画
  • バナメックス売却の交渉は1年以上行われたが、合意に至らず

シティグループは、傘下のメキシコ・リテール銀行バナメックスの売却計画を取りやめる一方、2025年に同部門の新規株式公開(IPO)を実施する意向だ。

  シティは24日の発表資料で、この計画変更により今四半期(4ー6月)に自社株買いを再開できるようになると説明した。バナメックス売却により資本水準に一時的に悪影響が及ぶ見通しだったことから、シティは自社株買いを見合わせていた。

Citigroup CEO Jane Fraser At DC Economic Club
ジェーン・フレーザーCEO
Photographer:Valerie Plesch/Bloomberg

  ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は「バナメックスがわれわれの株主にもたらす価値を最大化し、事業を簡素化させるという当行の目標を前進させる上では、二重戦略のアプローチからバナメックスのIPOのみに絞るという戦略転換が最も適した道だとの判断に達した」と発表資料で説明した。

  バナメックス売却を巡ってシティは1年以上にわたり多くの買い手候補と協議を進めてきたが、合意には至らなかった。シティはより利益率の高い事業に集中するためコンシューマーバンキングからの撤退を世界的に進めており、バナメックスの切り離しもその一環。シティはアジアや欧州など13市場でのリテールバンキング撤退完了に向けても取り組んでいる。

米シティ、アジアとEMEAの13市場でリテールバンキング撤退

  メキシコでの機関投資家向けとプライベートバンキングのサービスについては提供を続ける考えで、向こう数四半期にリテール商品との切り離しを進める。資料によれば、この切り離しは24年下期に完了する見通しで、25年にIPO実施が可能になるという。

  マーク・メーソン最高財務責任者(CFO)は資料で、今回の決定により「今四半期に適度な水準で自社株買いを再開できる」とした上で、「資本要件を巡る不確実性を踏まえ、自社株買いについては今後も四半期ごとに精査していく」と記した。

原題:Citigroup Abandons Banamex Sale, Plans 2025 IPO for Unit Instead(抜粋)

(背景やCEOのコメントなど追加し、更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE