米CPI、6月は急激に鈍化-利上げ近く打ち止めとの期待高める
Augusta Saraiva-
総合CPIは前年同月比3%上昇、5月は4%上昇
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コアCPIは前年同月比4.8%上昇-2021年終盤以来の低い伸び
6月の米消費者物価指数(CPI)は急激に鈍化した。この数十年で最も積極的な米利上げを近く終わらせることは可能との期待を、新たに抱かせる内容となった。
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今回の統計はインフレが1年前にピークに達して以降、物価圧力の抑制で進展があったことを浮き彫りにしている。1年余りにわたる利上げと需要軟化がその背景だ。ただ、物価圧力は米金融当局の目標を大きく上回っており、当局者らは7月25-26日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げを再開する意向を持ち続けるとみられる。
ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、スチュアート・ポール両氏は「今回の好ましいCPI統計を受けて、FOMCでは7月の利上げを最終利上げにすべきだと主張する声が強まるだろう。それはわれわれの基本シナリオと一致する」と指摘した。
総合CPIが減速したのは、2022年6月と比較していることが主な理由。当時はロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギー価格が急上昇し、インフレを40年ぶり高水準に押し上げていた。この先に目を向けると、前年同月比の数字は相対的に低い数字との対比になる。
米金融当局者らがインフレの軌道を精査する上で注目する住宅とエネルギーを除いたサービス価格は前月比ほぼ変わらず。前年同月比では4%上昇に鈍化し、こちらも21年終盤以来の小幅な伸びとなった。
サービス分野の最大項目で総合CPIの約3分の1を占める住居費は、前月比0.4%上昇。帰属家賃は21年末以来の低い伸びにとどまった。住宅分野の価格上昇率は今後数カ月に引き続き減速すると多くのエコノミストは予想している。
FOMC当局者らは財の価格に関してもこれまで懸念を示してきた。同価格は昨年にディスインフレの要因となってきたが、過去数カ月は強さの兆しを示していた。食品とエネルギーを除いた財の価格は今年に入って初めて低下した。
米国の家計を大きく圧迫してきた食料品価格はほぼ変わらず。医療サービスのコストも横ばいだった。
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CPIと別に発表された統計によれば、インフレ調整後の実質平均時給は6月に前月比で4カ月連続の増加となった。前年同月比では1.2%増と、21年3月以来の高い伸びを示した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Inflation Cools Sharply, Offering Hope Fed Can Wrap Up Hikes(抜粋)、US June CPI Rose 0.2%, Below Estimate(抜粋)