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中国年金基金、ぜい弱な地方融資平台と建設業者への投融資削減へ

更新日時
  • 中国の公的年金基金、運用業者にエクスポージャーの検証を先週要請
  • 価格が額面の95%を下回る債券など売却促す、最近の債券急落で懸念
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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の国営年金基金は、リスクの高い「地方融資平台」とも呼ばれる資金調達事業体(LGFV)および民間の不動産開発業者など一部の保有債券売却を運用業者に促したと、事情に詳しい関係者が述べた。

  非公表の情報だとして匿名を要請した関係者によると、中国の公的年金基金である全国社会保障基金理事会(NSSF)は先週、基金の資金を運用する投資信託会社数社に保有資産の徹底的な検証を要請。この結果を受けて、一部の債券売却を求めたという。売却対象には重債務に苦しむ天津市の融資平台が発行した債券などが名指しされたと、関係者の数人は指摘した。

  NSSFは国内最大の運用者の一つとして、政府が支援する不動産開発業者の債券に巨額のポジションを持っている。だが関係者によると、最近の遠洋集団の債券急落でNSSFは懸念を強め、債券価格が額面の95%を下回っている高リスクの融資平台や不動産開発業者に対するエクスポージャーについて健全性の審査を求めた。

  この動きは、中国当局が難しい綱渡りを強いられていることを浮き彫りにする。ぜい弱な債券を売却すれば年金基金の投資資産価値を守ることができるかもしれないが、中国政府が経済への信頼回復を図っているまさにその時期に、地方融資平台や資金難にあえぐ不動産開発業者の健全性を巡って市場の懸念を高める恐れもある。

  NSSFの代表者はコメントを控えた。直近の財務報告書によると、NSSFが運用する資産は2021年末時点で3兆元(約58兆2000億円)を超える。

  

原題:China State Fund Moves to Cut Exposure to Weak LGFVs, Builders(抜粋)

(第2段落以降に情報を加えます)
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