マイクロンが採用抑制へ、需要急減速に対応-人員削減は計画せず
Ian King-
インテルとエヌビディアも人員削減は行わない方針
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アナリスト楽観せず、少なくともこの10年で最悪の下降局面見込む
半導体メモリーメーカーで米最大手のマイクロン・テクノロジーは需要の急減速に対応するため、採用の抑制を計画している。ただ同業のインテルやエヌビディアと同様に、現段階では大幅な人員削減は必要ないとみている。
事情に詳しい関係者1人によると、マイクロンは人員削減の予定はなく、大規模なレイオフも行わない方針。ただ同社は9日、当局への届け出で6-8月(第4四半期)の売上高が従来の会社予想レンジの下限、ないしそれを下回る可能性があるとの見通しを示しており、積み上がる顧客在庫への対処を迫られている。
マイクロン、「厳しい」環境を指摘-半導体需要の急減浮き彫りに (1)
半導体メーカー各社は需要後退時には通常、レイオフによって業績改善を図ってきた。しかし業界として国内生産支援に520億ドル(約7兆円)を投じる半導体法案の成立を求めてロビー活動を展開した手前、人員削減に踏み切りにくい事情がある。
インテルは先週、全社会議で人員削減は行わないと明言。エヌビディアも今週、5-7月(第2四半期)の売上高が自社予想を10億ドル余り下回ると明らかにした後、同様の方針を示した。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は社内文書で人員削減を行わないと表明。さらにインフレを考慮して賃上げを実施すると明らかにした。
インテルとマイクロン、エヌビディアの担当者はいずれもコメントを控えた。エヌビディアの社内文書についてはインサイダーが先に報じていた。
ただアナリストは楽観していない。シティグループのアナリスト、クリストファー・デーンリー氏は9日のリポートで、「半導体業界は少なくともこの10年で最悪、ことによると2001年以来最悪となる下降局面に突入しつつあるとわれわれはなお考えている」とし、「全てのエンドマーケットが調整に入る」との見通しを示した。
原題:
Micron Is Slowing Hiring But Plans to Steer Clear of Job Cuts(抜粋)