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米GDP改定値は上方修正、国内総所得は2四半期連続マイナス

更新日時
  • 1-3月期GDPは1.3%増、個人消費は3.8%増-いずれも上方修正
  • GDIは2.3%減少、前四半期は3.3%のマイナス

米国の経済活動を測定する2つの重要指標が、1-3月(第1四半期)に反対の方向に動いた。このうち一つは経済の弱さを浮き彫りにした。

キーポイント
  • 米実質国内総生産(GDP)改定値は、前期比で年率1.3%増加
    • 速報値の1.1%増から上方修正
    • 改定値のエコノミスト予想中央値は1.1%増
    • 前四半期は2.6%増
  • 個人消費の改定値は3.8%増
    • 速報値の3.7%増から上方修正
    • エコノミスト予想中央値は3.7%増

  GDPは速報値から上方修正される伸びとなった一方、国内総所得(GDI)は2.3%減少。前四半期には3.3%落ち込んでいた。2四半期連続のマイナス幅としては、新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となった直後に続く大きさだった。

Key US Growth Measures Diverge | GDP rises while GDI contracts for two straight quarters
米GDP(棒グラフ)と米GDI(折れ線グラフ)
出所:米経済分析局

  根強いインフレと貸し出し基準の引き締めで景気が勢いを失いつつあることが示唆された。住宅セクターが8四半期連続で低迷していることに加え、企業の設備投資は2四半期連続で縮小した。

  一方で強い労働市場を背景に、消費者の支出は続いていたことが明らかになった。サービスに対する家計の支出は上方修正されたが、財への支出は小幅に弱まった。

  ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、ジェイ・ブライソン、シャノン・シーリー両氏はリポートで「理論上は実質GDPと実質GDIは同等であるべきだが、実際はデータの抜け落ちにより幾分か異なることが普通だ」と指摘。「GDIの弱さは、この数四半期にみられる実質GDPの伸びが今後の統計発表で下方修正される可能性を示唆する」と述べた。

  企業利益(調整後、税引き前)も減少し、前年同期比2.8%のマイナス。金融セクターと非金融企業の両方で減少が見られた。

  それでも企業の価格設定力は維持された。食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は前期比年率5%上昇に小幅上方修正された。同指数はインフレ指標として金融当局が注目する。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Two Key Gauges of US Economic Activity Diverged in First Quarter(抜粋)

 

(第6段落にエコノミストの見解を加えます)
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