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LIBOR代替シンジケートローン先行き不透明-スプレッド縮小影響

  • LIBORとのスプレッドが異常に縮小し、インセンティブ抑制も
  • SOFR参照ローンに多くの金利を払うことを借り手は望まない恐れ

米自動車メーカー、フォード・モーターは、年末以降に公表が停止されるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の代替指標金利、担保付翌日物調達金利(SOFR)を参照するシンジケートローンの最初の米借入企業となった。だが、どのくらい多くの企業が急いで後に続くかは、まだはっきり見通せない。

フォード、初のSOFR参照シンジケートローン-LIBOR移行弾み

  ローンシンジケーションズ・トレーディング協会(LSTA)によれば、LIBORとSOFRのスプレッド(金利の差異)が異常に縮小し、SOFRを採用するインセンティブが抑制される可能性があるためだ。

  公表停止前に後継金利を決定しておくハードワイヤードアプローチにより、3カ月物SOFRにフォールバックされるLIBOR参照のローンについて、代替参照金利委員会(ARRC)は26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)のスプレッドを推奨。しかし、実際のスプレッドは7bpとはるかに小さい。

  ゼロに近い金利水準も要因だが、LSTAによると、スプレッド調整が「歴史的に見て公正」だとしても、新たな3カ月物SOFRを参照金利とするローンにより多くの金利を今払うことを借り手は望まないかもしれない。

  それでもデリバティブ(金融派生商品)市場でのSOFRへの移行は速やかに進行している。TDセキュリティーズは、発行体と投資家のリスクヘッジのためのデリバティブを含むターム物SOFR利用の議論を深めるため、業界専門家とのラウンドテーブル討論会を16日に主催する。

  討論会では、米商品先物取引委員会(CFTC)の「SOFRファースト」イニシアチブが次の段階に移行する21日を前にクロスカレンシー市場についても話し合う予定だ。

原題:Libor Countdown: Unclear Whether Companies Will Follow Ford(抜粋)

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