割高なハイテク株の行方、ウォール街が試算で探る-結果は厳しい内容
Lu Wang (News)、Vildana Hajric-
高いバリュエーションが過去の平均に後退した場合にどうなるか検証
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ナスダック100指数の3週間にわたる下げは弱まる気配示していない
インフレ懸念の高まりを背景に、コンピューターメーカーやソフトウエアメーカーなどのハイテク株が売られている。米株式市場における株価動向のカテゴリー比較で、ハイテク銘柄は20年ぶりに最悪のパフォーマンスとなりそうだ。
それでもハイテク株は割安というには程遠い。ただ、ナスダック100指数の3週間にわたる下げが弱まる気配がない中で、アルファベットやフェイスブックなどに見られる極めて高いバリュエーションなどが過去の平均水準に後退した場合、どうなるかを検証しようとする動きがアナリストの間で散見される。
ロイトホルト・グループによれば、S&P500種株価指数構成銘柄の株価売上高倍率と株価収益率が、幅広いバリュエーション上昇シフトを捉える起点として、1995年以降の平均水準に戻った場合、同指数は37%下落するリスクがある。
ブルームバーグ・インテリジェンスのストラテジスト、ジーナ・マーティン・アダムス、マイケル・キャスパー両氏によると、「FAAMG」として知られるフェイスブックとアマゾン・ドット・コム、アップル、マイクロソフト、グーグルの親会社アルファベットも同様の運命をたどる恐れがある。両氏のモデルに基づくと、株式市場全体に対する同グループのプレミアムは2020年の新型コロナウイルス感染拡大前7年間の平均に後退した場合、さらに24%縮小すると考えられる。
確かにこうした試算は予測というより演習であり、数年間続いてきた上昇によってハイテク株の株価がどれほど高まったかを示すのが狙いだ。米金融政策に与える影響についてあらゆる経済統計が精査される現状にあって、ボラティリティーが最近、急拡大している理由はこうしたバリュエーションで説明できる。
ロイトホルトのダグ・ラムジー最高投資責任者(CIO)は、同社の時価総額加重平均型S&P500種バリュエーションに関する試算について、「ハイテクバブル絶頂期と同程度の極端な水準にあると見受けられる」と語った。同社は今週、コアポートフォリオの株式保有比率を3ポイント減らして55%にした。
一方、「FEDモデル」とも呼ばれる評価方法に基づけば、S&P500種の益回りと米10年債利回りの差は約1.7ポイントと、ほぼ10年以来の低水準。このところ1.7%付近で推移している10年債利回りが2%に上昇した場合、他の条件が等しければ、均衡維持にはS&P500種は8%下落する必要がある。
原題:
Wall Street Pondering Ugly Outcomes for Sky-High Tech Shares(抜粋)