長期金利0.495%と日銀上限に接近、10年入札低調で-超長期債は堅調
船曳三郎
更新日時
債券相場は先物が下落して始まった。予想を上回る雇用統計など堅調な経済指標を受けて米長期金利が上昇し、先物が夜間取引で軟調に推移した流れを引き継ぎ、売りが先行した。一方、政府が日本銀行の次期総裁を雨宮正佳副総裁に打診したとの報道を受けて、金融緩和からの急激な出口政策への警戒感が薄まっており、先物は夜間取引に比べて下げ幅を縮小している。新発10年国債利回りは日銀の許容上限0.5%に対し、0.4%台後半で推移すると予想されている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介債券ストラテジストは、きょうの債券相場は日銀総裁人事を巡るリーク報道を背景に、夜間取引の下落分を取り戻す展開と指摘。雨宮副総裁は新総裁候補の中で本命視されていたと言い、「市場はタカ派的なサプライズ人事にも身構えていたとみられ、今回の報道は金融緩和の急激な出口政策が回避されるとの安心感から、いったんは買い材料視されるだろう」との見方を示した。
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日銀オペ
- 10年国債を0.50%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを毎営業日実施。チーペスト銘柄を対象とした指し値オペも当面継続
背景
- 3日の米10年物国債利回りは前日比13ベーシスポイント(bp)高い3.52%程度、米2年物国債利回りは18bp高い4.29%程度
- 日銀次期総裁、政府・与党が雨宮副総裁に打診する案で調整-報道
- 米雇用者数、予想大きく上回る51.7万人増-失業率53年ぶり低水準
- 3日の米国市況はこちらをご覧ください
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