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英国のインフレ率、「著しく」低下する公算大-ベイリー英中銀総裁

  • 利上げの完全な影響、まだ完全には経済に表れていない-ベイリー氏
  • ベイリー氏の講演原稿、追加利上げに慎重な見解を示唆か

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、英国のインフレ率は年内に「著しく」低下する公算が大きく、利上げの影響はまだ完全には経済に表れていないとの見解を示した。

  ベイリー氏は10日夜にロンドン市長公邸(マンションハウス)で講演する。講演原稿からは、英中銀金融政策委員会(MPC)当局者が追加利上げに慎重な姿勢を強めていることがうかがわれる。現在の政策金利は2008年の金融危機後で最も高い。

  英国のインフレは主要国で最も根強いことも明らかになっている。総合インフレ率は直近で8.7%と中銀が目標とする2%の4倍を超えており、コアインフレはなお上昇を続けている。

UK Has Higher Inflation Than Its Major Peers

Britain has US labor market problems, European energy problems

Source: Office for National Statistics, Eurostat, Bureau of Labor Statistics

  だが講演原稿によると、総合インフレ率が低下し高金利の影響が経済に行き渡るに従って、コアインフレの上昇圧力は自動的に低下するとベイリー氏はみている。英中銀は過去1年8カ月の間に金利を5ポイント近く引き上げた。

  「この引き締めの一部はまだ表面化していない。総合インフレの低下とともにコアインフレの圧力も弱まると、われわれはみている」とベイリー氏は講演原稿で述べている。

Bank of England Rates Close In on Level Set by Fed
英国と米国、ユーロ圏、スイス、オーストラリアの政策金利推移
出所:ブルームバーグ

  さらに「総合インフレ率はこの先、年末までに著しく低下する見通しだ。これは昨年の大幅なエネルギー価格上昇が前年比の計算から外れることが大きな要因だが、コモディティー価格の下落が小売価格に影響するため、食品価格も下がるはずだ」と論じた。

 

原題:BOE Governor Says UK Inflation Likely to Drop ‘Markedly’ (1)(抜粋)

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